「東京特許?」
「きょきゃきょく」
「何でーーー!? 何で一回も言えないのーーー!?」
「いいじゃん別に!!!」
「男のクセに!」
「どんなセクハラ!」
「きょか!」
「きょか!」
「きょく!」
「きょく!」
「きょかきょく!」
「きょきゃきょきゅ!」
「……」
「……」
「いっそ東京特許って言ってみ」
「そっちなら言えるよ」
「言ってみ」
「とうきょうきょっ……」
「……」
「……」
「ケンジー、見てみてー」
「おー、可愛い可愛い」
「見向きもしないでよく言えるな……!」
「おー、ごめんごめん。どしたの」
「サンプルでもらったシャンプー! いい匂いするー!」
「ほほぅ……」
「いつものと違うでしょ?」
「あー……コレね。俺知ってる」
「ソープ嬢がこんな匂いしてたわ」
「うわーーーーん!!!」
「お昼ごはんどうする?」
「なんでもいいよー」
「近所のそば屋行ってみない? 俺ちょっと気になる」
「いいねー、うどん食べる!」
「ちょ、そばだって言ってるのに!」
「や、だってさ。前も話したかもしれないけどさ」
「何さ」
「小さい時ね、家族でココイチに初めて行ったときね」
「うん」
「ハヤシライス頼んだ」
「えーーーーーーー!!!」
「父にめっちゃ怒られた」
「そりゃそうだよ!」
「そんな訳でそば屋でもうどんを食べます。釜揚げうどんないかな~?」
「あ、フランダースの犬やってる~」
「もうエンディングだね」
「らんらんらー、らんらんらー、ではない方か」
『♪パトラッシュ、ぼくの、ともだち、ぼくの♪』
「へぇ、こんな歌だったんだ」
「なんの中身もないな、これ」
『♪いっしょーにあるこうねー♪』
「ルーベンスの絵ね、ルーベンス!」
「ヨーコは絵が好きだねぇ」
『♪いきが、きれてもあーるーこーうーねー♪』
「!!!」
「な、何。どうしたの」
「まさかの死亡フラグ!!!」
「!!!」
「ケンジくーん」
「なーにー」
「眠れないよーーー」
「そんな時は羊を数えなさい」
「小学生じゃあるまいし」
「オレは昨日200代で寝れたぞ」
「数えたの!?」
「数えるさ。200~300の間で寝れればいい方だ」
「ちなみに最高記録は?」
「まさかの1000匹オーバー」
「凄ェェェェェェェェェエ!!!!!」